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「ストライプシネマ」あるいは「オンブロシネマ」(オンブロチネマ)と呼ばれるやつですね。
こうして動画で見てみるとわかりやすい。アマゾンでも通販してます。
■はこアニメ
以前、「子供の科学」に掲載されていた、アニメ装置がキットになって発売されるらしい。この装置の特徴は、他のアニメ装置と違って回転運動を必要としないところ。発光ダイオードによって別々の絵が、一つのスクリーンに映し出されていく。それぞれの絵がスクリーンの同じ位置に映し出されるので回転運動を必要としないのは、なるほどこの手があったかと感心。ただ、現在のバージョンでは切り替わる絵の枚数が少ないのが難点か…。
http://www.elekit.co.jp/catalog/hakoanime/
■立体ゾートロープ
ゾートロープの筒の中に平面画でなく、立体物を配置することでその彫刻などが動いて見えるアニメ装置。上図のように、ゾートロープ開発の初期段階で考案されていたっぽい。(現物は残ってないらしい。)
これをさらに進化させたのが日本のメディアアーティストの一人、岩井俊雄さん。スリットの代わりにストロボ発光する光源(実際にはテレビのフリッカー)を利用することで、目の前で物が動く不思議をさらに倍増させる装置の開発しました。それが「時間層」シリーズというアニメ装置。目の前を横切るスリットがないので本当に立体物が動いているように見えます。(岩井さんはジブリ美術館の立体ゾートロープ「トトロぴょんぴょん」などの製作もしています。)
また海外のアーティスト、グレゴリー・バーサミアンによる立体ゾートロープも装置が大きく、日用品をそのまま使ったものもあり、迫力があります。
展示会などでも立体ゾートロープは人気らしく、「ミッフィー展」や「ピクサー展」にもそれぞれのキャラクターを使用した立体ゾートロープが設置されていたようです…。
グレゴリー・バーサミアン展
http://www.ntticc.or.jp/Archive/2000/Gregory_Barsamian/Works/index_j.html
下記は立体ゾートロープを制作してくれる会社のようです。
ポンチフィルムズ
http://www.ponchfilms.com/
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■「スキャニメイト」(scanimate)
アメリカのコンピュータ・イメージ社が開発したアナログコンピューターによるビデオ映像エフェクトマシン(1969年発表)。日本ではイマジカ(当時、東洋現像所)に導入され、画像をゆがめる独特の効果はテレビアニメ「宇宙の騎士テッカマン」や「タイムボカン」などにも使われていました。映像作家松本俊夫さんもこの装置を用いて「モナ・リザ」(1973)や「エニグマ=謎」(1978)などの映像作品を作成しています。写真がスキャニメイトなのですが宇宙船の内部みたい。
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■モアレ(moire)
あるいは「モワレ」
縞々やドットなどの規則的な模様を重ね合わせた時に出来る干渉模様。 (マンガの描き方を解説する本で、スクリーントーンを二枚重ねるときはモアレを出さないように注意する、ということが書かれていますね。あとビデオの撮影などでで横縞の服を着るとやはりモアレが出てきます。)
縞をスライドさせたり、角度を変えることによって干渉模様の変化を楽しむことが出来ます。これを利用して車輪や煙のイラストに縞模様を施し、同じく縞模様の入った透明なシートを上に乗せてスライドさせることで、あたかも車輪や煙が動いているように見える動的なイメージをつくりだすものも発売されたりしたようです。(下記参照)
ところでこの「モアレ」はずっと何かの略だと思っていたのですが「モアレ」で一つの言葉らしい。しかもフランス語だとか。
■「映画」の誕生
「映画」はリュミエール兄弟の「シネマトグラフ」(Cinematographe)からはじまったと言われています。と、いっても突然生まれたわけではなく、映画誕生以前の映像史つまり映画前史の中で生まれた様々な試みが一つに収束して誕生しました。それは以下のようなものです。
A・幻灯機などの映像をスクリーンに投影し、複数人で観ることができるシステム
B・写真銃などの動画像を連続した静止画像として記録する装置
C・アニメーション玩具による動く映像を作り出す装置
非常にアバウトですが、とりあえずこれらの研究が合わさって「映画」が生まれました。
しかし、同時期に同じようなものを考案していながらメジャーになりきれなかった人達もいました。それは「テアトル・オプチカ(光の劇場)」(Theatre optique)のエミール・レイノーと、「キネトスコープ」(Kinetoscope)を開発したトーマス・エジソン。「テアトル・オプチカ(光の劇場)」はフィルム状の帯に(パーフォレーションのようなものもついていた!)アニメーションが描かれていて、それをスクリーンに投影したアニメ玩具の終着地点ともいえる装置。「キネトスコープ」は撮影した動画像をフィルム状に並べて、それを覗き箱の中に入れた装置。鑑賞できるのは一人のみ(俗にエジソン式と呼ばれることも。動力はバッテリー)。リュミエール兄弟「シネマトグラフ」が上記ABCの要素を取り入れたに対して、「テアトル・オプチカ(光の劇場)」はAC、「キネトスコープ」はBC。式にするとこんなかんじ。
A+B+C=シネマトグラフ
A+C=テアトル・オプチカ
B+C=キネトスコープ
単純にこれが原因で「映画」として成り立つ、成り立たないというわけでないのですが、それぞれ差があったということです。(あるいは、「テアトル・オプチカ」「キネトスコープ」のいいとこどりしたので、「シネマトグラフ」=「テアトル・オプチカ」+「キネトスコープ」といえるのかも。)また、リュミエール兄弟の「シネマトグラフ」が実写動画像(蒸気機関車、工場の人々)を投影し成功をおさめたことをきっかけに、「動く絵」のアニメーションはしばらく影が薄くなってしまったようです。
■電光表示器は現代アートにもよく使われています。
作家それぞれは一つの「画材」として発光ダイオードを使用していると思うのですが、見る人が作品に対して、気持ちを受け入れやすくするのに発光ダイオードの光が一役買っているように思えます。
写真左はクワクボリョウタさんと明和電気による「BIT MAN」ドットアニメを操ることが出来るインタラクティブアート玩具。
写真中はジム・キャンベル氏による「五番街の教会」という作品。撮影した映像をLEDのドット映像に変換して不思議な雰囲気を作り出しています。
写真右は 森脇裕之さんによる「レイヨー・グラフィー」。影になったところが逆に光だす。おもしろい。
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それを集めてひとつの映像をつくりだす装置。
この光源の一つひとつのON、OFFによって画像を切り替えていきます。光源ひとつだけでは意味を持っていませんが、集合することで情報を持つというのがこの装置のおもしろいところです。(絵本のスイミーを思い出すとわかりやすい。)ほとんどドットアニメーションといったかんじです。
街頭ニュースの表示や駅の案内板として利用され、最近は光源にLED(発光ダイオード)を使用したものが主流になり、カラー表示が可能なものも登場しています。
■巨大ゾートロープ
ボストンにある、パブリックアート型ゾートロープ。
でかい!(ちゃんとアニメが動いて見えるの?)
http://www.asci.org/artikel628.html
http://www.lighttimeinspace.com/zoetrope.html
■「ゾートロープ」(Zoetrope)
文献によっては「ゾーアトロープ」「ゾーエトロープ」「ゾーイトロープ」…。まあ訳し方の違いですね。(と、思っていたのですが、ゾーアトロープは「Zootrope」と書くようで、どうも訳し方ではなく名称が変化していったという面もあるようです。また発表当初は「Daedalum」という全然別の名前だったとか…。)最近は「ゾートロープ」が主流っぽいかんじです。
筒の内側にアニメーションする絵が描かれていて、回転する筒をスリットから内側をのぞくようにして見ます。1934年にW.Gホーナーさんによって考案されました。
驚き盤を円筒形に変化させたのがゾートロープといったところでしょうか。
驚き盤との最大の違いは、複数の人数で同時に見ることができるということ。(といっても3〜5人?)一歩、今日の映画に近づきました。
ゾートロープ内の絵はすげ替え可能。驚き盤も絵を取り替えることは出来るのですが、こっちの方がよりソフトとハードといった関係性が強く感じらて、グー。
さらには絵のほかにもゾートロープ内に立体物を配置しアニメーションさせるものも登場しています。これらは一般に「立体ゾートロープ」と呼ばれ、
現代では連続発光するストロボ照明等をスリットの代わりに使用し、より目の前で「動いている!」と感じさせるものが増えています。岩井俊雄氏による「時間層」シリーズや、ジブリ美術館の「トトロぴょンぴょん」グレゴリー・バーサミアン氏によるさまざまな立体ゾートロープ等もストロボ発光する光源を利用したアニメ装置です。これらはどれもアニメ装置の醍醐味を満喫できる作品なので、必見!
(ウィキペディアによると、ゾートロープのことを「回転のぞき絵」と日本では言うらしい…。うーん…。)
■「驚き盤」(Phenakistiscope)
海外では「フェナキスチスコープ」あるいは「ファンタスコープ」「ストロボスコープ」と呼ばれています。(おそらく発売元や開発者などの違いからいくつか名前があるんじゃないのかと思われます。)「驚き盤」と訳したのはアニメ作家古川タクさんとのこと。
一コマづつ絵を描いた回転板を鏡に映して、図のように回転させながらスリットからのぞく、絵が動く様子を見ることができます。
鏡に映すというのがなにやら不思議なかんじ。
1832年にJ.A.F.プラトーによって考案され、同じ時期にS.R.フォン・シュタンプファーも同じものを考案していたらしい。(本当に偶然ならかなりすごい気がするが…。)
その後、絵とスリットを別々の板に分けて、向かい合わせることで鏡を使わない「ヘリオシネグラフ」も登場。また現代ではステッピングモーター(回転→停止を素早く繰り返す特殊なモーター)などを利用してスリットのない驚き盤も登場しています。
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